1.消費税
消費税を納める必要がある場合、その金額はどのように計算するのでしょうか?
売上のうち、消費税として5%を預かります。また、仕入や経費を支払う際に5%を消費税として支払います。消費税を納税するときは、売上から預かった消費税から実際に支払った消費税を差し引いた、差額の消費税を納税するのです。
| 科目 |
金額(単位:万円) |
消費税 |
| 売上 |
1,050 |
○ |
| 仕入れ |
210 |
○ |
| 人件費 |
210 |
× |
| 家賃 |
210 |
○ |
| 減価償却費 |
105 |
× |
| 消耗品費 |
84 |
○ |
| 支払利息 |
21 |
× |
| 税金 |
105 |
× |
| 利益 |
105 |
- |
| (設備投資) |
105 |
○ |
消費税納税額(単位:万円)
(売上1,050-仕入210-家賃210-消耗品費84-設備投資105)÷1.05×0.05=21
要するに、預かった消費税から、会社が支払った消費税を全て差し引いて、残りの金額を消費税として納税します。たいていの経費は、消費税が含まれていますが、消費税が含まれていない経費の典型は、人件費、減価償却費、支払利息、税金です。また、設備投資は経費ではないですが、消費税を支払いますので、控除が可能です。
売上から預かった消費税5%を全額消費税として納めると勘違いしている場合や、仕入にかかる消費税のみを控除できると勘違いしている場合があるので、注意が必要です。
2.消費税の還付
上記の例で、設備投資が1,050であった場合、消費税納税額の計算は、
(売上1,050-仕入210-家賃210-消耗品費84-設備投資1,050)÷1.05×0.05=△24
となります。(単位:万円)
このように、預かった消費税よりも支払った消費税が大きい場合は、差額は還付されます。多額の設備投資を行う場合など、還付を受けられる場合があるので、有効に活用しましょう。
3.消費税の課税・免税
資本金1,000万円未満で会社を設立すると1期目・2期目は原則として消費税は免税です。
資本金1,000万円以上で設立すると1期目・2期目は原則として消費税の課税事業者となります。3期目以降については、2期前の売上高で判定します。1期目の売上高が1,000万円を超えていると、3期目は消費税の事業者、2期目の売上高が1,000万円を超えていると4期目は消費税の課税事業者となります。
ただし、平成25年1月以降に2期目が開始する場合、資本金が1,000万円未満であっても、1期目の最初の半年で売上と人件費がともに1,000万円を超えた場合、2期目から消費税の課税事業者となります。
4.消費税免税事業者の消費税の処理
消費税免税事業者の場合、得意先に消費税を請求してはいけないのか?という質問をされることがあります。これは間違いです。
消費税の免税事業者であっても、得意先に消費税を請求できますし、取引先に消費税を支払う必要があります。ただ、免税事業者は、預かった消費税と支払った消費税の差額があっても、それを消費税として納税する必要はなく、会社の利益として計上してよいのです。

1.役員報酬の決定方法
役員報酬は事業年度開始後(会社設立後)3カ月以内に決定する必要があります。従って、事業年度開始後間もなく決定する必要があるのですが、では、どのようにして決定すればよいのでしょうか。
第一に、売上見込み、役員報酬以外の経費の見込みを作成し、役員報酬を差し引く前の利益の金額(役員報酬+利益)がいくらになるのか、予測します。第二に、役員報酬+利益の見込み金額のうち、会社の利益と役員報酬にどのように配分するかを決定します。
この際にはいくつかのポイントがあります。
- A. 会社に利益が残ると、利益に対して法人税等を支払う必要があります。
- 法人税等を支払った最終の利益は、役員賞与や配当という形で個人に支払うことができますが、この場合、もらった個人で所得税が課税されます。つまり、法人税と所得税が二重で課税されてしまうのです。従って、役員賞与として支払うくらいであれば、あらかじめ毎月の役員報酬として支払えば、法人税はかからないので有利です。
- B. 金融機関等の融資を受ける予定があれば、会社に利益が確実に残るようにします。
- 役員報酬+利益の見込み額のうち、ほとんどを役員報酬としてしまうと、売上が予測を下回った場合、または、経費が予測を上回った場合、すぐに赤字となってしまいます。赤字となってしまうと、金融機関の融資を受けることが難しくなってしまいます。従って、金融機関からの融資を検討している場合は、利益への配分を多めにするとよいでしょう。
- C. 会社の税率と個人の税率の違い
- 会社の税率は約30%~40%、個人の税率は約15%~50%です。従って、会社と役員の税金合計を少なくするためには、一定金額までは役員報酬を増加させ、会社にはほとんど利益が発生しないようにし、一定金額を越えたら、会社の利益とする方法もあります。役員報酬のみで社会保険等を考慮しないと、概ね1,200万円以上の報酬をもらうと、それ以上に増加する分については約40%の税金が個人に課税されます。従って、短期的な税金を抑えるという意味では、役員報酬は1,200万円までとし、それ以上は会社に残して会社で税金を支払う方法もあります。
- D. 融資を検討しているか
- まず会社で融資を受けることを検討している場合は、会社の決算で赤字を出さないようにしないといけません。そのためには、年度の予測を立てる時に、ギリギリ利益がでる計画で役員報酬を設定してしまうと、予測を若干下回っただけで赤字となってしまいます。従って、このような場合は、予め会社に利益が残るように役員報酬を設定することが望ましいです。
逆に、個人で住宅ローンを組む等検討している場合は、ある程度の役員報酬を設定する必要があります。ただし、注意しなくてはいけないのが、会社の代表者などの場合、銀行からは会社と一体としてみなされることがありますので、例えば、個人の役員報酬を高く設定して、その分、会社が赤字では意味がないので注意が必要です。
1.利益と資金の違い
社長から、「今期は借入金の返済があるので、利益が減る」というような話をされることがよくあります。
これは、利益と資金を混同してしまっています。
利益=売上-原価-経費
で計算しますので、資金の増減とは必ずしも一致しないのです。
借入金の借入は、その分預金が増えるだけなので、利益には影響を与えません。借入金の返済も同じ話です。
利益と資金を分けて考えることが、会計の第一歩と言えます。
2.貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう:B/S)と損益計算書(そんえきけいさんしょ:P/L)
会計の中で、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)という言葉が良く出てきます。
貸借対照表(B/S)とは一時点の会社の資産・負債の残高を表す書類です。
一方、損益計算書(P/L)は、一定期間の会社の利益の状態を表す書類です。
経営者としては、自社の貸借対照表、損益計算書で自社の現状を把握して、次の対策を考える必要があります。そのためにまずは、自社の貸借対照表、損益計算書をじっくりと見て、各数値の意味するところを理解できるようになる必要があります。

貸借対照表のチェックのポイント
自社や取引先等の貸借対照表をチェックする時の主なポイントを記載します。業種によりみるべきポイントも変わっていますが、下記が基本的なポイントとなります。
- 純資産がマイナス(債務超過)となっていないか?
- 現金・預金に余裕があるか?
- 借入金が会社の規模と比較して多額となっていないか?
- 貸付金や仮払金が異常に多額となっていないか(処理しにくい取引がまぎれている可能性があるため。)
- 売掛金が過大となっていないか?(未回収の売掛金がないか)
- 買掛金・未払金が過大となっていないか?(資金繰りが厳しいと買掛金・未払金の支払いを遅らせる傾向がある。)

損益計算書のチェックのポイント
- 売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益金額、当期純利益の各段階で利益となっているか、損失を計上していないか?
- 売上に対する売上総利益の比率(粗利率)が同業他社と比較してどうか?
- 役員報酬の金額が会社の規模と比較してどうか?(役員報酬の金額で利益の調整をしている会社が多い)
- 固定資産の金額と比較して減価償却費は少なすぎないか?
- 前期の損益計算書と比較して、売上高や売上原価、各種経費の金額の増減や増減率を確認する。